「好き」って言って
ドリブルをしていたのを横からカットしてきた先輩だったが、素早くボールを奪い取った夏芽により、再び私にパスが回ってくる。

わっと一気に二人がマークをしてこようと私に近づいてきたが、それよりも先にスリーポイントシュートを放つ。

ボールはスパッと心地よい音を立ててネットを揺らし、先輩たちが悔しそうに顔を歪めたのが目に入った。

それから先輩たちのチームが二点、私たちのチームが三点と徐々に点差をつけながら試合は進んでいく。

先輩たちが動き始めたのは残り三分を切ったあたりからだった。


「きゃ…っ」


クラスメイトの一人が、ドリブルしていたボールを弾かれたと同時にその場に転んだ。


「大丈夫!?」

「う、うん…」


駆け寄って確認するが、どうやら怪我はないようだ。

ボールを弾いた先輩が、わざと死角からクラスメイトを押していたのを私は見てしまった。

なかなか点差が埋まらないからって、わざと手を出すなんて許せない。


「…っ」


渡ってきたボールをドリブルで相手のシュートに決めに行こうとするが、勢いよく突っ込んできた先輩に思いっきり足を踏まれ、思わず顔をしかめる。
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