美人の香坂さん、酒は強いが恋愛は最弱
香坂優子の話の後、テーマに合わせた企画を立てる研修が始まった。
新入社員5人と先輩社員1人ずつの6人1グループとなり話し合うという。
俺たちの班のテーマは『小学校の九九学習の企画』だ。
最初に話し始めたの男性新入社員が司会をしていたのだが、自分の意見を通そうとするあまり、ほかの人の意見はダメ出しをしてだんだん発言がなくなってきた。
「まだ、企画会議は始まったばかりなんだから、まずはみんなの考えを聞いてみたらどうかな?」
とやんわりと忠告してみるが、
「は?でも効率よく子供に九九を覚えさせるならこれが一番効率的じゃないか。僕はこうやって覚えた」
と言ってくる始末だ。
もめたいわけではないが、このままでは一人で規格を立てていることと同じではないか。
チームミーティングをする意味とか考えないのだろうかと、いらいらしてくるのをぐっと堪えて、みんなの意見を求めることにした。
「僕は歌で覚えたよ。歌で覚えるから、勉強って感じじゃなくて楽しく覚えられたよ。田中さんはどうやって覚えたの?」
俺は各自の胸に付けられた大きなネームシールを見て話を振った。
「私はひたすら言い続けて覚えました。全く面白くなかったですね」
「確かに面白味はないかも。それで覚えられた?」
「覚えたことは覚えましたけど、時間はかかった気がします」
「僕は2つ上の姉の学校ごっこに付き合わされてたら覚えてしまってて」
「木村君が児童役ってこと?」
「そう。repeat after me的な。だから姉が間違えて覚えたのをそのまま覚えてて大変だった」
あはははは。
周囲から笑いが出てきた。
それを聞いて俺はいいぞって思った。
「私はお風呂で壁に表を貼ってました」
「へー。お風呂場で?」
「はい。浸かってるときに親と一緒に」
「リラックスできるから記憶するのによかったりするのかな?」
と、だんだんとみんなが話を再開し始めた。
みんなこの空気を換えたいと思っていたのだろう。
うなずいたり積極的に話す方向へもっていこうとしていることがうかがえた。
そんな時。
「でもさー」
と、またアイツが横から発言してきた。
「でもさ、それじゃ親と一緒にお風呂に入らない子は覚えられないじゃないか!
シャワーの家だってあるだろうし!
アパートで歌うと苦情が来ることだってあるだろうし!」
みんなの顔がまた曇ってしまった。
「まじかよ、、、」
誰かがぼそりと呟いた声が響いた。
新入社員5人と先輩社員1人ずつの6人1グループとなり話し合うという。
俺たちの班のテーマは『小学校の九九学習の企画』だ。
最初に話し始めたの男性新入社員が司会をしていたのだが、自分の意見を通そうとするあまり、ほかの人の意見はダメ出しをしてだんだん発言がなくなってきた。
「まだ、企画会議は始まったばかりなんだから、まずはみんなの考えを聞いてみたらどうかな?」
とやんわりと忠告してみるが、
「は?でも効率よく子供に九九を覚えさせるならこれが一番効率的じゃないか。僕はこうやって覚えた」
と言ってくる始末だ。
もめたいわけではないが、このままでは一人で規格を立てていることと同じではないか。
チームミーティングをする意味とか考えないのだろうかと、いらいらしてくるのをぐっと堪えて、みんなの意見を求めることにした。
「僕は歌で覚えたよ。歌で覚えるから、勉強って感じじゃなくて楽しく覚えられたよ。田中さんはどうやって覚えたの?」
俺は各自の胸に付けられた大きなネームシールを見て話を振った。
「私はひたすら言い続けて覚えました。全く面白くなかったですね」
「確かに面白味はないかも。それで覚えられた?」
「覚えたことは覚えましたけど、時間はかかった気がします」
「僕は2つ上の姉の学校ごっこに付き合わされてたら覚えてしまってて」
「木村君が児童役ってこと?」
「そう。repeat after me的な。だから姉が間違えて覚えたのをそのまま覚えてて大変だった」
あはははは。
周囲から笑いが出てきた。
それを聞いて俺はいいぞって思った。
「私はお風呂で壁に表を貼ってました」
「へー。お風呂場で?」
「はい。浸かってるときに親と一緒に」
「リラックスできるから記憶するのによかったりするのかな?」
と、だんだんとみんなが話を再開し始めた。
みんなこの空気を換えたいと思っていたのだろう。
うなずいたり積極的に話す方向へもっていこうとしていることがうかがえた。
そんな時。
「でもさー」
と、またアイツが横から発言してきた。
「でもさ、それじゃ親と一緒にお風呂に入らない子は覚えられないじゃないか!
シャワーの家だってあるだろうし!
アパートで歌うと苦情が来ることだってあるだろうし!」
みんなの顔がまた曇ってしまった。
「まじかよ、、、」
誰かがぼそりと呟いた声が響いた。