兄弟の溺愛に堕ちて
そして、蓮さんに背を向けて冊子を揃えていたその時——。

不意に、背中に強い温もりが重なった。

「……蓮さん?」

耳元で、低くて真剣な声が落ちる。

「美咲、好きだ。」

思わず振り返った瞬間、その瞳がまっすぐに私を射抜く。

「好きだ、好きだ、好きだ。」

立て続けに告げられる言葉に、心臓が痛いほど高鳴る。

そして——唇が重なった。

完全に不意をつかれた、甘くて深いキス。

「んん……」思わず息が漏れる。

柔らかいはずなのに、逃げられない熱。

そのまま溺れてしまいそうで——。

「はぁ……はぁ……」

唇が離れた瞬間、息が乱れているのが自分でも分かった。

「そんなの……信じられない。」

掠れた声でそう告げ、私は蓮さんを突き放した。

けれど、背中に残る温もりは、簡単に消えてくれなかった。
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