永遠の約束を交わそう
街へ続く道は、海から吹く風が暑さを少し和らげてくれていた。


けれど真夏の陽射しは強く、蝉の鳴き声が頭に響く。


慣れない軍服姿の人々が行き交い、いつもよりざわついた雰囲気が街を覆っていた。

 
穏やかな時間は、突然破られた。


――ウオォォォォォン


低い轟音が空から響き、空気を震わせた。


振り返った瞬間、目に入ったのは、頭上を飛ぶ黒い機影。


「空襲だ!!」


誰かの叫びが耳を突き抜けた。


次の瞬間、爆音とともに地面が揺れ、白い煙と火花が街を覆った。


「きゃあああっ!」


叫ぶ間もなく尻もちをつき、足に力が入らなくなった。


鼓膜を突き破るようなサイレンと人々の悲鳴。


「早く防空壕に入れ!!」


母親に抱かれた子どもが泣き叫び、人々は避難を叫びながら走り去る。
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