永遠の約束を交わそう
手足をゆっくり動かし、呼吸を整える。


目の奥に残る光の残像が、現実の病室をはっきり映し出すまでには、もう少し時間が必要だった。

 
ーコンコンコン
 

そんな時、病室のドアが静かに開く。
 

背の高い青年が一歩入ってきて、落ち着いた声で言った。
 

「急にすみません…神田勇気(かんだゆうき)と言います」


「…えっ」


自分の耳を疑った。
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