もう恋なんてしないはずだったのに〜御曹司課長の一途な愛に包まれて〜
課長に話しかけられ、思わず挙動不審になってしまうが、彼はそんなことは気にもしていないようだ。
本当にたまたま試しにやったくじが当たったからくれただけなのだろう。特に深い意味なんてない。
小さくため息をつくと、課長に言われた資料の作成に取り掛かった。この前の夜に教わったやり方をし始めてから資料の作成スピードが上がった。どうしてこのやり方をしていなかったのだろうと思うくらいに今までは非効率だった。
作業効率が上がると自分にゆとりも出てきた。今まで凝り固まっていた気持ちが少し和らぎ、周囲を見渡すこともできるようになった。皓介とのことでどこか人間関係も煩わしくなり避けていたが、課長とのやりとりでその気持ちに変化があったと思う。

資料を早急に作成すると課長のデスクまで届けた。

「あぁ、ありがとう。あと、この前の契約書類なんだが共有ファイルに入れてくれ。再度確認したいんだ」

「わかりました」

課長はいつもと何ひとつ変わらない。それが安心感であり、反対に少し寂しくもあった。
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