もう恋なんてしないはずだったのに〜御曹司課長の一途な愛に包まれて〜
***
朝から、花菱さんの様子がおかしい。普段なら落ち着いて淡々と返事をするのに、今日は声が裏返ったり、椅子を蹴り飛ばしてみたり。珍しいことに同僚にまで「元気だねえ」と笑われ、耳まで真っ赤になっていた。
元気、というより挙動不審に近い。
「花菱さん、体調悪いのか」
さりげなく声をかけると、彼女は必要以上に背筋を伸ばして「ぜ、全然元気です!」と答えていた。
そんな仕草が今までの彼女とのギャップを感じてしまった。
ふと脳裏に、景品を受け取った時の彼女の表情がよぎる。普段の彼女からは想像できないくらい、驚いて、目を潤ませていた。言葉にできないくらいのその驚き様が思った以上に印象に残っていた。
「……わからん」
小さく吐き出した声は、自分に向けたものだった。
推し、か。
この前彼女にあんな態度をとってしまったあと軽く調べてみた。
アイドルに夢中になるなんて子供じみている、と正直少し思った。でも彼女の姿を見ているとそんな考えは変わった。あの時の彼女は普段の控えめな姿と違い、瞳がキラキラと輝いていて心から幸せだと気持ちが滲み出ていた。
あれはただの趣味じゃないのかもな……。
きっと彼女が彼女であるために必要なもので、なくてはならない生活の一部なのだろう。きっとこれがなくなったら彼女が壊れてしまうのではないかと直感があった。
だからこそもう茶化すような真似はできない。それどころ彼女のこんな危なっかしいところも含めて守ってあげたいとさえ思ってしまう気持ちの変化に自分自身驚いた。
朝から、花菱さんの様子がおかしい。普段なら落ち着いて淡々と返事をするのに、今日は声が裏返ったり、椅子を蹴り飛ばしてみたり。珍しいことに同僚にまで「元気だねえ」と笑われ、耳まで真っ赤になっていた。
元気、というより挙動不審に近い。
「花菱さん、体調悪いのか」
さりげなく声をかけると、彼女は必要以上に背筋を伸ばして「ぜ、全然元気です!」と答えていた。
そんな仕草が今までの彼女とのギャップを感じてしまった。
ふと脳裏に、景品を受け取った時の彼女の表情がよぎる。普段の彼女からは想像できないくらい、驚いて、目を潤ませていた。言葉にできないくらいのその驚き様が思った以上に印象に残っていた。
「……わからん」
小さく吐き出した声は、自分に向けたものだった。
推し、か。
この前彼女にあんな態度をとってしまったあと軽く調べてみた。
アイドルに夢中になるなんて子供じみている、と正直少し思った。でも彼女の姿を見ているとそんな考えは変わった。あの時の彼女は普段の控えめな姿と違い、瞳がキラキラと輝いていて心から幸せだと気持ちが滲み出ていた。
あれはただの趣味じゃないのかもな……。
きっと彼女が彼女であるために必要なもので、なくてはならない生活の一部なのだろう。きっとこれがなくなったら彼女が壊れてしまうのではないかと直感があった。
だからこそもう茶化すような真似はできない。それどころ彼女のこんな危なっかしいところも含めて守ってあげたいとさえ思ってしまう気持ちの変化に自分自身驚いた。