もう恋なんてしないはずだったのに〜御曹司課長の一途な愛に包まれて〜
***
会議を終え、自室に戻ると窓の外に広がる街の灯りを眺めながら小さく息を吐いた。昇進は、当然の流れだと自分でもわかっている。だが背後には、家からの期待、社内外の視線、重たくのしかかる未来がある。それでも彼女の前では、ただの上司でいたい。「御曹司」でも「後継者」でもなく、努力をきちんと見てくれる一人の人間として。
花菱さんと話す機会が本当に減り、きっかけも掴めずにいた。彼女と話すことでなんだか肩の力が抜け、自分が自分でいてもいいと思わせてくれるような気にさせてくれる。彼女には熱中するものがあって、本人は恥ずかしがっているが俺からしたらとても羨ましく思えるものだった。今の俺には何もないから。仕事はもちろん嫌いではないが、それは義務であり、責務である。後継者として育てられてきた自分は、いずれ多くの人の生活を背負う。そんな覚悟をずっと教え込まれてきた。それが当たり前に思え、俺はその責任からず勉強し続けてきた。だから俺は仕事以外にそこまでのめり込めるようなものは選び取ってこなかった。生活の全てが仕事に関連されたものだったから。学生の頃に友人に勧められライブに行ったりしていた。でもそれは一時的なもので彼女ほどのめり込んでいたかと言われると違うと思う。もちろん楽しかったし、友人と過ごす時間も貴重なものになった。でも何かが違った。何かが自分の中で欠けている、それはわかっても何かが変わらない。そんな時に普段の姿からは想像もできないようなキラキラした目をしながら推し活している姿を見かけ、本当に羨ましく思った。きっと彼女には推し活があって、生活全てが満たされるのだろう。そんなものが俺にもいつか見つけることはできるのだろうか。
彼女をいつの間にか遠巻きに見つめてしまう自分の行動におかしくなってしまう。
定時になり、ふと自分の前を通り過ぎようとする彼女を見て思わず声をかけてしまった。普段の自分らしくはない行動だ。そんな行動に自分でも驚いてしまう。でも誘いに彼女は答えてくれたことにホッとした。
ふたりで過ごす時間の心地よさに酔いしれてしまいそうだ。
気取るわけでもなく素の表情を浮かべる彼女に可愛いと思ってしまった。
ああ、俺はきっと、手放せなくなっている。
今まで何にも執着してこなかった自分が今初めて彼女だけは手放したくないと思ってしまった。
会議を終え、自室に戻ると窓の外に広がる街の灯りを眺めながら小さく息を吐いた。昇進は、当然の流れだと自分でもわかっている。だが背後には、家からの期待、社内外の視線、重たくのしかかる未来がある。それでも彼女の前では、ただの上司でいたい。「御曹司」でも「後継者」でもなく、努力をきちんと見てくれる一人の人間として。
花菱さんと話す機会が本当に減り、きっかけも掴めずにいた。彼女と話すことでなんだか肩の力が抜け、自分が自分でいてもいいと思わせてくれるような気にさせてくれる。彼女には熱中するものがあって、本人は恥ずかしがっているが俺からしたらとても羨ましく思えるものだった。今の俺には何もないから。仕事はもちろん嫌いではないが、それは義務であり、責務である。後継者として育てられてきた自分は、いずれ多くの人の生活を背負う。そんな覚悟をずっと教え込まれてきた。それが当たり前に思え、俺はその責任からず勉強し続けてきた。だから俺は仕事以外にそこまでのめり込めるようなものは選び取ってこなかった。生活の全てが仕事に関連されたものだったから。学生の頃に友人に勧められライブに行ったりしていた。でもそれは一時的なもので彼女ほどのめり込んでいたかと言われると違うと思う。もちろん楽しかったし、友人と過ごす時間も貴重なものになった。でも何かが違った。何かが自分の中で欠けている、それはわかっても何かが変わらない。そんな時に普段の姿からは想像もできないようなキラキラした目をしながら推し活している姿を見かけ、本当に羨ましく思った。きっと彼女には推し活があって、生活全てが満たされるのだろう。そんなものが俺にもいつか見つけることはできるのだろうか。
彼女をいつの間にか遠巻きに見つめてしまう自分の行動におかしくなってしまう。
定時になり、ふと自分の前を通り過ぎようとする彼女を見て思わず声をかけてしまった。普段の自分らしくはない行動だ。そんな行動に自分でも驚いてしまう。でも誘いに彼女は答えてくれたことにホッとした。
ふたりで過ごす時間の心地よさに酔いしれてしまいそうだ。
気取るわけでもなく素の表情を浮かべる彼女に可愛いと思ってしまった。
ああ、俺はきっと、手放せなくなっている。
今まで何にも執着してこなかった自分が今初めて彼女だけは手放したくないと思ってしまった。