もう恋なんてしないはずだったのに〜御曹司課長の一途な愛に包まれて〜
そんな会話をしていると向こうからの視線に気がついた。松木さんがデスクに戻り、頭をあげると真紘さんと目があった。
私のことを見ていたの?
でもその瞬間に彼の目線は外され、気のせいだったのかと思う。
今回の海外の件で、なるべく目立たず過ごしてきた私だったのにはからずもみんなから相談されるようになってしまった。皓介と別れてから何をするのも控え気味になっていたが、ここにきて急に今までよりもいろんな人と話すようになった。
休憩室でコーヒーを淹れていると後輩の男性社員が声をかける。

「花菱さん、コーヒータイムですか? 俺、苦いから苦手なんですけど営業に行くと出されることが多いんですよね」

「そうだよね。飲みすぎた時にはカフェインのない麦茶とか水を飲むといいって聞いたことあるよ。胃の負担を和らげるようにバナナとかヨーグルトを食べるのもいいらしいよ」

「へぇ、そうなんですね。さすが花菱さん。物知りですね」

そう話すと彼はミネラルウォーターを購入しデスクに戻って行った。
私もコーヒーを手にデスクに戻ると通常業務を行い、もちろんいつも通り定時で帰宅した。
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