もう恋なんてしないはずだったのに〜御曹司課長の一途な愛に包まれて〜
家に帰ると今朝のばたついた後が色々と目につき笑ってしまう。
彼に送ってもらい、慌ててシャワーを浴びると昨日とは別の黒いスーツに袖を通した。彼の家でシャワーを浴びようと思ったが、なかなかベッドから出れなくて、勝手のいい自宅で浴びることにしたのだ。昨日のスーツはハンガーにかけずに置いてしまったのでシワが入ってしまっていたので脱衣室に置いたままになっていた。それが生々しくて、クリーニングに持って行く袋に詰め込んだ。なんだか彼の部屋の匂いがかすかに匂って、それも昨日の出来事を思い起こさせた。そしてシンクには洗う時間なく置かれたままのマグカップもあり、片付けた。
改めてシャワーを浴び、夕食を取るとやっと落ち着いたような感じがした。それと同時にひかるくんのグッズに埋められた自分の部屋の居心地を改めて噛みしめた。
彼が御曹司であることが知れ渡ってしまったので彼を狙う人も沢山出てくるだろう。ただでさえ彼は眉目秀麗で人柄も魅力的な人だ。それに加え御曹司となれば社内外から注目を集めることになるはず。
そんな人と付き合えるのは本当に幸運だ。でももっと魅力的な人が現れたり、彼にとって有利な人が出てきたらきっと別れを告げられるのだろう。きっと皓介の様に……。
真紘さんは皓介とは違う。そう思いたい。でも心のどこかではもしかしたらと考えてしまう。どれだけ甘い夜を過ごしても離れるのは一瞬だ。もしそうなったらと考えると怖くなる。
明日の夜仕事の後に会う約束は楽しみなのに、どうしてもひとりになると良くないことを考えてしまう。そして一歩引いて守りに入りたくなる。そうすれば別れた時の傷が浅いはずだから。
ひかるくんのDVDをつけると変わらずここにいてくれる安心感が私を支えてくれる。
すごく真紘さんが好きなのに、彼も好きだと言ってくれたのにいつか離れてしまうのではないかと考えてしまうのは皓介に捨てられたトラウマなのかもしれない。努力しても認められず捨てられてしまった過去を忘れられない。
真紘さんは私の努力を認めてくれているとわかっている。それなのにもしかしたらと思う自分が嫌になる。
明日を心から楽しみにしているのに、顔が曇ってしまう。
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