もう恋なんてしないはずだったのに〜御曹司課長の一途な愛に包まれて〜
今日も特に大きなトラブルはなく1日が終わろうとしていた。
真紘さんは経営戦略部の方へ行っていてデスクは不在だった。
松木さんが電話を受けているが、何度も聞き返していて焦っているのがわかった。何事だろう。周囲もその成り行きを伺っていた。
電話を切ると松木さんがチームのみんなを集め先ほどの電話の件を説明していた。

「どうやら輸送トラブルがあって再来週のイベントに使うものがまだ届いていないらしい。現地インドネシアはとっくに出ているらしいんだがそのコンテナが不明になっているらしい。もう着いていないと来週の準備も間に合わない。このままだとイベント自体うちのブースが出せなくなる」

「え? 確かに無事インドネシアを出発していることは確認しています。それもだいぶ前にです」

「そうなんだ。コンテナに物が積み込まれていることも間違いない。そのコンテナ自体がどこかに紛れてしまったらしい。それがどこの国に行ったかで再来週に間に合うかどうか、ってところになる」

ことの大きさにみんなは言葉を失った。このイベントは営業がかなり前から準備してきており、ブースの場所もいいところを確保するのが大変だったところ話していた。あと荷物が届くだけという段階でものが届かないなんてまさか。

「部長に相談するが、ひとまずできることをしよう。コンテナの現在地を探しだし、改めて日本に向けさせよう。それと同時に万が一に備えて改めてインドネシアから同じものを空路で出せるか確認してくれ。もし可能となった場合の数の確認も頼む」

現状を把握し松木さんは周りに指示を出す。みんなは無言のまま頷いた。松木さんが役割を振ると各部署に連絡をとり始める。
この時間だ、まずインドネシアの物の確保ができるか最優先だ。その数次第で空路の輸送になるにしても載せられるか事情が変わってくる。また、空港からの陸路の確保も必要になるだろう。
やることが次々と浮かんでくる。
私も英語で直接話せるからと連絡調整役になった。
インドネシアの方でもコンテナがついてないと連絡が入ったようで探し始めているとのことだったが、未だに発見に至っていないとのことだった。在庫を確認すると、当初の1/3程度だが在庫があり、準備が出来次第発送することは可能のようで少しホッとした。松木さんに報告すると彼もホッとしような表情を浮かべている。すぐに空路、陸路の手配をするよう指示を出す。来週いつ確実に日本に到着するのか不安はあるが一歩前進したのは間違いない。
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