もう恋なんてしないはずだったのに〜御曹司課長の一途な愛に包まれて〜
翌日、いつものように休憩室でお弁当を食べていると松木さんもキッチンカーで買ったというお昼をもって入ってきた。
「今日は油淋鶏だったから思わず買っちゃったよ」
ハハハ、と笑いながら私の正面に座る。ランチボックスを見るとはみ出んばかりの大きなチキンが見える。
「すごいボリュームですね。油淋鶏って美味しいけどなかなか自分では作らないんですよね」
「これって家でも作れるの? はい、一切れお裾分け。まだ箸使ってないから綺麗だよ」
松木さんは私の弁当箱の蓋に一切れ乗せてくれた。時々こうしてお裾分けしてくれることがあり、最近では素直にいただくようになっていた。自分のお弁当ばかりだと変わり映えもないから少し嬉しかったりもするし、味見することで自分の料理の参考にもなっていた。
すると珍しくこの時間に真紘さんが休憩室に現れた。
「あ、部長。お疲れ様です。珍しいですね、この時間に営業にいるなんて」
「あぁ、今日はこれから会議があるから一度資料をとりに戻ってきたんだ」
そういうと私とは目も合わずに飲み物を買うと出て行ってしまった。その様子に少しがっかりした。松木さんの前とはいえ少しくらい話しかけてくれてもいいのではないかと思ったから。でもいつもの彼とはなんだか様子が違う。松木さんは気にならなかったのかもしれないが私の中では少し引っかかった。昨日から気になっているが、忙しい彼とのやりとりはなかなかスムーズにいかないことが少しもどかしい。彼の背中を目で追っていると松木さんが話しかけてきた。
「部長、今までに輪をかけて忙しいみたいだな。しかもお見合いの話も出てるらしい。どこだかの令嬢との縁談が持ち上がっていて、それが後継者として強いバックボーンになるんじゃないかって噂みたいだな」
「え?」
そんなの初めて聞いた。噂話なんてあまり私の耳には入ってこないから知らなかった。
真紘さんから何も聞いてない。
皓介とのことが頭をよぎる。
まさか……。ううん、またか……。
松木さんが話しかけてきても何も入ってこない。愛想笑いを浮かべると、そそくさと食事を終え、松木さんには銀行に行きたいからというと先に席を立った。
「今日は油淋鶏だったから思わず買っちゃったよ」
ハハハ、と笑いながら私の正面に座る。ランチボックスを見るとはみ出んばかりの大きなチキンが見える。
「すごいボリュームですね。油淋鶏って美味しいけどなかなか自分では作らないんですよね」
「これって家でも作れるの? はい、一切れお裾分け。まだ箸使ってないから綺麗だよ」
松木さんは私の弁当箱の蓋に一切れ乗せてくれた。時々こうしてお裾分けしてくれることがあり、最近では素直にいただくようになっていた。自分のお弁当ばかりだと変わり映えもないから少し嬉しかったりもするし、味見することで自分の料理の参考にもなっていた。
すると珍しくこの時間に真紘さんが休憩室に現れた。
「あ、部長。お疲れ様です。珍しいですね、この時間に営業にいるなんて」
「あぁ、今日はこれから会議があるから一度資料をとりに戻ってきたんだ」
そういうと私とは目も合わずに飲み物を買うと出て行ってしまった。その様子に少しがっかりした。松木さんの前とはいえ少しくらい話しかけてくれてもいいのではないかと思ったから。でもいつもの彼とはなんだか様子が違う。松木さんは気にならなかったのかもしれないが私の中では少し引っかかった。昨日から気になっているが、忙しい彼とのやりとりはなかなかスムーズにいかないことが少しもどかしい。彼の背中を目で追っていると松木さんが話しかけてきた。
「部長、今までに輪をかけて忙しいみたいだな。しかもお見合いの話も出てるらしい。どこだかの令嬢との縁談が持ち上がっていて、それが後継者として強いバックボーンになるんじゃないかって噂みたいだな」
「え?」
そんなの初めて聞いた。噂話なんてあまり私の耳には入ってこないから知らなかった。
真紘さんから何も聞いてない。
皓介とのことが頭をよぎる。
まさか……。ううん、またか……。
松木さんが話しかけてきても何も入ってこない。愛想笑いを浮かべると、そそくさと食事を終え、松木さんには銀行に行きたいからというと先に席を立った。