自分を好きになる話
その後の帰り道はなんだか足取りが軽くて、どこにで

も飛んでいけそうだった。

雨の音が、初めて幸せな音に聞こえた。

そのまま美羽ちゃんに玄関まで送って貰ってから

別れて、彼女は透明な雨の中を振り向くことなく

帰っていった。

その時無意識に見えたのは、彼女の雨で濡れている肩

だった。

それが少しだけ嬉しかったのは、性格が悪いと思わ

れたらいけないから、もちろん彼女には内緒だけど。

そのままお風呂に入った。真っ白なタオルは、一滴も

残さず吸い込んでくれた気がした。

その後は、台所のお母さんに、私を私に産んでくれて

ありがとうって感謝を伝えた。

お母さんは何かを察したように、暖かい笑顔を見せて

くれた。

夜は弱々しい雨の音を聞きながら寝た。








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