幼なじみの過保護愛 -星のかけらは純愛のしるし-

「ちょっと、考えごとしてただけ」
「……」

 咲の言い訳を聞いてもなお、光希は不安と疑心を織り交ぜたような表情を浮かべている。どうやら疑われているらしい。ただし、彼が疑っているのは咲が秘めた感情ではない。平気だと言いつつ本当は無理をしているかもしれない、と考えて、こうして不満げな視線を向けてくるのだ。

(親よりも、光希くんの方が心配性だよ……)

 幼なじみは今日も過保護で心配性だ。
 少し行き過ぎていると思うほどに。

 だが彼がこれほど過剰に咲の体調や身体を案じるのには理由がある。

 遡ること七年前。それは現在二十三歳の二人が、まだ高校二年生だったときの話――

 夏休みに入ってすぐの頃、サッカー部のマネージャーを務めていた咲は、同じくサッカー部に所属する光希たちと共に他校との練習試合に臨んでいた。受験を控えた三年生が引退し、二年生が主体となったチームになって初めての練習試合ということで、光希を含む部員たちは皆、やる気に満ち溢れていた。

 生き生きとボールを追いかける部員たちを支えるために咲もサポート業務に精を出していたが、そこでそこで思わぬトラブルが起こる。

 相手の選手が強めに蹴ったパスボールを光希がカットした際、軌道が逸れたボールがピッチの外へ飛んできた。通常、観客はフィールドから少し離れた場所まで下がるよう指示されていたり、間にフェンスや高さのあるギャラリー席からの観覧・応援を指定されることが多く、ボールが飛んできたところでそれほど危険はない。

 だが部員が使うタオルやドリンクを用意するためピッチの脇にいた咲は、一直線に飛んできたボールを避けきれなかった。

< 2 / 47 >

この作品をシェア

pagetop