義兄の愛に人生観を変えられ……
「ありがとう……」
「こちらこそ。じゃあ、そろそろ行こうかな。締め切りまで時間がないから、最後の修正をしてコンペ出す。もし選ばれたら、渋谷の駅に大きな広告を出してもらえるんだ」
「それはすごいことだね。心から応援してる」
「おう!」
喫茶店を出て颯爽と去っていく後姿を眺めていた。しばらくその場から動けなかった。
私はやっぱり亮太君のことが、大好きだ。
温かくて、ミルクティーのように甘い感情が胸の中を支配していく。
頑張っている彼の姿は輝いて見えた。
小説を書く。その上で大切なことはいろんな感情を体験し表現することだ。母に決められた道を歩み、そこから道を踏み外すことを恐れていては何も進むことができない。