義兄の愛に人生観を変えられ……

「『こうでなければならない』そんな人生なんてないんじゃないかな」
 力強い声が聞こえてきたので、私は引き寄せられるように亮太君の瞳を見つめた。
「緑色の服はすごく似合っている。でも緑だけじゃなくても、いいんじゃないか?」
 幼い頃から気になっていたことを指摘されて、一気に動揺してしまった。
「自分が好きだなと思う色を着てみたらどうだろう? 余計なお世話かもしれないが、みどりの心の中には、いろいろな色があると思うんだ。だから……好きな色の服を着て、一歩踏み出してほしい」
 私のことを真剣に思ってくれている。
 母とは違う視点で。
 母は世間体を考えてばかりだった。そして自分の理想の道を歩かせようとばかりしていた。私の中にある個性というものを潰すことに一生懸命だった。
 でも、亮太君は違う。
 こんなにも背中を押してくれる。
 モヤモヤしたフィルターがかかったような自分の人生を何とか変えてみたい。
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