恐怖病院
私も頭の中にチャシャ猫やトランプの女王の姿が浮かんできた。
あんな世界に行けるのなら、確かに楽しいかもしれない。
「それじゃ次はお化け屋敷に入ってみるか」

貴也からの提案に私以外のふたりが喜んで頷いている。
「お化け屋敷かぁ」
私はうかない顔つきをして呟いた。

ジャットコースターとかの絶叫系アトラションなら平気だけれど、おばけとか悪魔とかは大の苦手だ。

この世にいない存在がいるなんて、考えただけでも背筋が寒くなってくる。
それに、ここのお化け屋敷は演出が数パターンあって、入るたびに別の怖さを体感できることで有名だった。

つまり、何度入っても慣れないということだ。
「真希は怖いの苦手だっけ?」
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