恐怖病院
『渚も行っておいで。お父さんとお母さんは出口のベンチで待ってるから』
『お父さんとお母さんは一緒に入らないの?』

『うぅ~ん、お父さんもお母さんも怖いのは苦手だからね。それにここまで車を運転してきたから、少し休憩しようかな』

お父さんの言葉に渚ちゃんは納得したように頷いた。
『だから、みんなで楽しんでおいで』
そう言われて渚ちゃんは喜んでふたりの後をついていったのだ。

それが……。
『このお化け屋敷にも噂があるんだ!』
暗くて怖い通路を歩いていたとき、啓太くんがそう言い出したのだ。
それはあの鏡の噂だった。
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