恐怖病院
そう言ったのは貴也だった。
みると貴也と浩介のふたりはいつの間にかパイプ椅子を手に持っている。
「こいつらは武器を持ってねぇ、きっと戦える!」

浩介もやる気満々だ。
ふたりを置いて逃げ出すのは気が引けたけれど、突っ立っているだけでは邪魔になる。

私と佳奈美は目配せをして同時に出口へと駆け出した。
子どもたちがそれに反応して襲ってくる。

が、後から来た貴也と浩介によって次々と蹴散らされてゆく。
私と佳奈美はその隙間を縫って出口から通路へと飛び出したのだった。

☆☆☆

貴也と浩介が無事に外へ出てきても、子供たちは病室にとどまったままだった。
きっとそこから出ることはできないんだろう。
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