月夜に吠える、君の名を 《続》
第9話 最後の抵抗
松明の光がどんどん近づく。
犬の吠え声も、すぐそこまで迫っていた。
紗羅は縄に絡まった健を見上げ、唇を噛む。
このままじゃ、2人とも終わりだ。
「健……ごめん」
そう呟くと、紗羅は腰に差していた小さな果物ナイフを引き抜き、縄に刃を押し当てた。
乾いた繊維が少しずつ裂け、健の足がわずかに下がる。
『おい、危ないやろ!』
「いいから黙って!」
必死で縄を切る手は震えていた。
焦りと恐怖で、呼吸が浅くなる。
ガサッ。
すぐ背後で茂みが揺れた。
振り返ると、複数の村人たちが松明を掲げ、こちらを見つめている。
その顔には怒りと憎悪が浮かんでいた。
《逃げられると思ったか、化け物とその仲間め!》
紗羅は反射的に健の体をかばった。
村人たちの何人かが、手に持った縄や棒を振り上げながら近づいてくる。
あと一息で縄が切れそうだ……
そう思った瞬間、背中に鋭い痛みが走った。
誰かに後ろから突き飛ばされ、地面に倒れ込む。
視界がぐらりと揺れる中、最後に見えたのは、健がまだ宙に吊られたまま必死に叫んでいる姿だった。
犬の吠え声も、すぐそこまで迫っていた。
紗羅は縄に絡まった健を見上げ、唇を噛む。
このままじゃ、2人とも終わりだ。
「健……ごめん」
そう呟くと、紗羅は腰に差していた小さな果物ナイフを引き抜き、縄に刃を押し当てた。
乾いた繊維が少しずつ裂け、健の足がわずかに下がる。
『おい、危ないやろ!』
「いいから黙って!」
必死で縄を切る手は震えていた。
焦りと恐怖で、呼吸が浅くなる。
ガサッ。
すぐ背後で茂みが揺れた。
振り返ると、複数の村人たちが松明を掲げ、こちらを見つめている。
その顔には怒りと憎悪が浮かんでいた。
《逃げられると思ったか、化け物とその仲間め!》
紗羅は反射的に健の体をかばった。
村人たちの何人かが、手に持った縄や棒を振り上げながら近づいてくる。
あと一息で縄が切れそうだ……
そう思った瞬間、背中に鋭い痛みが走った。
誰かに後ろから突き飛ばされ、地面に倒れ込む。
視界がぐらりと揺れる中、最後に見えたのは、健がまだ宙に吊られたまま必死に叫んでいる姿だった。