マリオネット
「楽しかった。久しぶりにあんなにはしゃいだかも!ありがとう」

「ううん。俺もすごく楽しかった」

 ゲームセンターを出ようとしたが、お化粧が気になり
「ごめん。ちょっと、お手洗い行って来てもいい?」

「うん。俺、この辺で待ってるね」

 凪に声をかけ、トイレに向かった。
 結構はしゃいだから、お化粧が崩れていないか心配だった。
 あんなイケメンの隣を歩くんだったら、せめて人に見られても恥ずかしくないようにしておかないと。

 化粧を直して、トイレから出る。凪がいない。
 どこに行ったんだろう。
 
 辺りを見渡していると、男性にぶつかってしまった。

「あっ、すみません」

 こちらの不注意だったため、謝るために声をかけた。
 振り向いた男性は「いえ」と返事をしてくれた。

 様々なゲームの音が混ざり、騒がしいゲームセンター内なのに、その時は何も聞こえなくなり、時間が止まったかのように感じた。

 振り向いた男性の顔を凝視してしまう。

「陽菜?」

「翔太郎……」

 十年間付き合って、半年以上前に別れた翔太郎だった。
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