マリオネット
「はぁっ……!あぁ……!」
 痛みは感じないけど、自分の身体の中で熱いものが挿入されている。
 突かれるたびに声をあげてしまう。

「んんっ、あっ!!」

「はっ……!陽菜乃さんの中、すごく気持ち良い」
 その言葉にさらに身体が反応してしまう。

 私は必死に彼の背中に手を回している。
「やぁ……!恥ずかしいっ!」

「はぁ……。止まんない……。もっと速くするね」

「えっ?」
 そう言うと彼は、先程よりも自分の身体を押し当ててくる。

「ぁぁっ!」

「大好きだよ、陽菜乃さん」
 彼のその言葉を聞くだけで、心も満たされていくーー。

「あっ、俺……。もうダメかも」
 苦痛ともとれる彼の表情。

「うんっ、イイよ?」
 私がそう言ったあと、彼の動きが止まった。
 抱きしめられる。

「ごめっ、陽菜乃さん。気持ち良くて……。痛くなかった?」

「大丈夫」
 私も彼を抱きしめ返す。

「幸せ」
 思っていたことが言葉として出てしまった。
「俺も」
 こんな毎日が続けばいいと思っていた。
< 161 / 186 >

この作品をシェア

pagetop