マリオネット
「どうしたの?」
 彼に問いかけると
「俺、あんなに必要とされたことってなくて。嬉しくて、つい陽菜乃さんにキスしちゃった」
 耳元で聞こえる凪の声。

「私こそ、凪を信じるって決めたのに。なんだろう。今までこんな女じゃなかった。束縛もしなかったし、嫉妬も……。感じたことないのに、凪だけだよ。ごめんね、余裕がなくて。凪がたくさんの人と関われるようになるのは、良い機会だと思うし、アルバイトも無理しない程度に応援しているから。それは本当だよ」
 彼の手をギュッと触る。

「俺、陽菜乃さんが嫌だって言うまで離れないから」

「うん。わかってるよ」
 彼の手が緩み、身体が自由になった。

 彼と目が合う。

「凪……。しよ?」
 主語を伝えなかったが伝わるだろうか。

「きゃぁっ…!」
 無言で私を抱え、寝室へ運ばれる。
 優しく降ろされ、押し倒される。

 彼は自分の上衣を脱ぎ
「俺。今日、優しくできる余裕ないかも」
 上から見下ろされ、上裸の彼にドキッとしながらも
「凪はいつも優しいよ」
 そう伝えると、一瞬彼の顔が赤くなったような気がした。

 そして――。

「んっ……」
 最初は優しく確かめるように、次第に舌が絡まって、身体の至るところにキスをされた。

「んぁ……!!なぎっ!激しっ!!」
 一通りに身体を愛されたあと、今は彼にしがみつきながら彼の身体を受け容れている。
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