マリオネット
「凪。私、ラーメン食べたい!」

「えっ。いいよ」
 本当は一度来てみたかった、濃厚な豚骨ベースのラーメン店。
 思ったより並んでいなかったため、すぐ入店することができた。
 髪の毛を結び、ラーメンをすする。
「おいしい!」
 久しぶりだ、こういう外食。

「凪、おいしい?ラーメン苦手だった?」
 借りてきた猫のように何も話さない彼、苦手だったのだろうかと心配する。

「ううん。俺、ラーメン大好きで。久しぶりに食べれて、感動してる」
 そういう理由なら良かった。

 お腹もいっぱいになった。
「最後に、スーパーに寄って帰ろうか。明日から買い物、食事、凪が担当だからね」
「うん、わかっているよ」
 冷蔵庫が空っぽだったため、野菜、肉、いろんな物を買った。
 荷物は、凪が持ってくれるから楽だな。

 二人で帰宅する。

 買って来た物を冷蔵庫に入れようとすると
「俺がやるから!陽菜乃さん座ってて。疲れたでしょ?」

 彼が休んでて?と言ってくれる。
「じゃあ、部屋着に着替えて来るね」
 寝室に戻り、着替える。
 あっ、凪の洋服とか入れて置く場所作らなきゃ。
 ここのラック、中途半端だから片付けて使ってもらおう。

 私が片付けていると
「陽菜乃さん、終わったよ」
 彼が部屋に入ってきた。
「あっ、ちょうど良いところに。凪の洋服とか、これからここに入れて。作ったから」
 狭いかなと悩んでいると、後ろからハグされた。
「んっ?どうしたの?」
「嬉しい」
 そう小声で彼は呟いた。

 本当に可愛いな。
 母親のような感情が芽生えてしまいそうだった。



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