マリオネット
「あっ……。んっ……」
 胸を揉まれ、洋服を脱がされる。

「陽菜乃ちゃん。気持ち良い……?」
 下着を外され、直接触られる。
「うん。気持ち良い」
 本当は、気持ち良くなんかない。
 でもこう言った方が男は喜ぶことを知っている。

「あんっ……!!」
 胸の先端を舐められる。
 もう男の人の指がショーツの中に入ってきている。まだ濡れていないところを強引に触られる。

 あぁ、痛いな、もう。

「うっ……!」
 濡れていないのに、下半身に指を入れられる。痛い、もう嫌。
 止めてほしいのに、痛いなんて言えない。良い子でいたい、存在を求められたい。

 指を前後に何回か動かした後に、男性は「もう挿れていい?」と問いかけてきた。
 
 前戯、短くない?

 心の中で文句を言う。
 私の男運の悪さが原因なのか、本当に気持ち良くしてくれる人なんていなかった。自分のモノを舐めさせておいて、その後のキスを嫌がる男もいた。

 世の中、こんな奴ばかり?
 いや、自分が都合の良い女として扱われているから。本心ではそうわかっていた。

「いいよ。ゴムしてね」

 避妊具を付け、彼が下半身を私の身体に挿入しようとしている。
 私は、この瞬間が一番嫌いだった。 
 実は私は「痛み」しか感じたことがない。
 翔太郎と付き合っていた時もそうだった。彼に抱かれる時は、愛されているという感じがして、痛みよりも嬉しさが勝っていたから、それで良いと思っていた。
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