マリオネット
 帰宅した後、二人でソファに座り
「とりあえず、助けてくれてありがとう」
 よしよしといつも通り、彼の頭を撫でる。

「うん!守るって約束したから」
 さっきと全然違う。
 子どものような笑顔を私に向けてくれた。

「俺、気になって陽菜乃さんが仕事に行った後に、そのあとすぐ後ろから着いて行ったんだよ」

「えっ、そうなの?全然気づかなかった!」

「そうしたら、駅前くらいかな。あいつが陽菜乃さんの後ろを歩いて行くのが見えてさ。陽菜乃さん見て、独り言ぶつぶつ言っているし。怪しいと思って、あいつの方をつけたんだよね。あとはーー」

「あとは?」

「あとは、どうやってあいつの素性を調べたのかは秘密」

「変なことしてないでしょうね?犯罪になるようなこと」

 どうして課長とか奥さんがいるとか、子どもがいるとか、そんな細かいところまで知ってるんだろう。

「それはしてないよっ!」

「んで……。なんでスマホを持っているの?」
 凪の荷物はトートバッグ一つだったが、何が入っているのかは見たことがなかった。

「あのスマホ、お金払ってないから使えなくなっちゃったやつ。充電したら、スマホとしての機能は使えることがわかったんだ」

 そっか、そういうことか。
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