黒百合の女帝
 「ラクア、後はお願い。」

そう言い、側に居たラクアに続きを任せる。

彼は頷いた後、躊躇なく聖矢を甚振り始めた。

その隙に総長から離れ、内密者の方へ。

彼は涙を流し、震える足でなんとか立っていた。

 「初めまして。麓冬の姫、女帝です。」

 「あの……本当に、裏切るつもりはなかったんですっ!」

 「じゃあ、なんで裏切ったの?」

 「お兄ちゃんと……、一緒に居たかったから」

そんな初々しい回答に、思わず笑みが溢れる。

 「ごめんね。でも、規則だから。」

そう言い、彼の足首を刈る。

そして倒れた彼の胸に足を乗せ、踵を食い込ませた。

 「私、裏切りだけは許せないの。裏切られた側の気持ち、わかる?」

それに対する返答は、言語を伴わない嗚咽のみ。

無抵抗な様子が癪に触った為、顎を蹴り上げる。

 「もう誰も、信用できなくなるんだよ。」
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