黒百合の女帝
 そう吐き捨て、片足を退ける。

彼は起き上がろうとしたが、痛むのだろうか。

また地面に寝転がり、涙を流すだけだった。

制裁はこの位で済ませ、ラクアの方へと向かう。

 「ラクア……やり過ぎだよ。」

 「そんなことはない。抵抗したこいつが悪い」

ラクアの足元には、血塗れの聖矢が。

浅い呼吸を繰り返しており、ほぼ死にかけ。

警察沙汰は嫌なんだけどな、と考えていれば。

ラクアが私を窺うように、声を掛けてきた。

 「その……大丈夫だったか?」

 「え?なにが?」

 「なんだか、辛そうだった」

 「……そうかな。平気だよ、私は。」

困り顔を見せるラクアから、視線を外す。

広場を見回してみると、立っている敵は一人のみ。

そいつはカケルと一対一で争っていた。

カヤはその側に居たが、呑気に寛いでいやがる。
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