黒百合の女帝
 「ラクアっ!聞いて聞いて、昨日ね……ラクア?」

尾行から三日後、来たる月曜日。

昼休憩になって、ユリが屋上へとやって来た。

屋上、と言っても、屋上前の階段なのだが。

最近は風が強い為、屋上階段に居座っていた。

寒さに関しては、ダウンを着る必要がある。

そんな気候を利用して、俺はダウンのフードを被っていた。

立ち襟に首も埋め、彼女から顔を背ける。

そんな俺を不思議がったのか、立ち止まるユリ。

ゆっくりと迫って来ると、隣に座ってきた。

 「どうしたの?具合悪い?」

心配そうな声音に、無言でかぶりを振る。

勝手にストーキングして、勝手に悲しんでいる。

そんな気色の悪い俺は、理不尽なことを言ってしまうだろう。

とにかく、今は一人にして欲しかった。
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