黒百合の女帝
 まず、獄覇が連携を嫌うのは手柄の独占が為。

手柄とは、嶺春を討ち取った時の報酬の事だ。

そんな彼らが、族同士の計画に参加……。

ないな。何者かに転がされている方が考え得る。

 「ハラ、嶺春が確認した倉庫はいくつ?」

 「五個かなあ。刑牙、蝋火、血仙、葬王……あっ!空死もいた!」

 「ふうん……。倉庫内には本当に誰も残って居なかったの?」

私のそんな疑問に、ハラは強く首を縦に振った。

 「ぜっったいに居なかった!だって俺がこの目で確認したんだもん!」

 「は。嶺春の監視は?見張りが残ってた筈でしょ?どうやったの。」

まさか、嶺春の連中に見られていないだろうな。

睨みながら問えば、彼は不服そうに腕を組む。

 「見張りなんてだぁ〜れ一人残ってなかったです〜。怒られる筋合いありませーん」

生意気な態度が癪だが、今はそこじゃない。

なぜ見張りを置かない?それは非合理的だ。

一人でも戻って来れば、尋問に掛けられるのに。

 「……ハラ。指揮官は誰か分かる?」

 「さあ。そこまでは知らないよ。ま、十中八九副総長だろうけど」

ハラは目を合わせずに答え、イヤホンを挿した。

どうやら、この会話への興味を失ったらしい。

本を机の上に置き、五つの共通点を探す。

刑牙と空死の二つは有名な族だ。

しかし蝋火とケッセン、ソウオウは無名。

知名度は疎ら。認知している族は全て反嶺派。

そんな奴らが、どこで繋がりを持つのか。

ネットを通じて?それとも、他の共通点が?

 「……明日、ヤユを連れて来ようか。」
< 241 / 326 >

この作品をシェア

pagetop