黒百合の女帝
 「普段、構成員に作戦を伝えるのは抗争直前で、それは情報漏洩を防ぐ為。しかし今回は二週間も前から通達……情報漏洩の策はあったの?」

私の質問に、ヤユは首を傾げて見せた。

 「大きい反嶺派はみんな潰しちゃうわけだし、情報が漏れてもよかったんじゃないかな?どうせ潰しちゃうんだから」

 「でも、天楼がまだ居るでしょ。なんで天楼を作戦に含まなかったの?」

私がそう問えば、更にヤユは首を傾けた。

天楼。空死に次ぐ規模を誇る反嶺派。

過激派で、獄覇とは犬猿の仲という印象。

刑牙や空死は標的なのに、天楼は含まれない訳。

しかしそんなものをヤユが知る筈もなく

 「ごめん、副総長からはなにも……考えたことすらなかったや」

と照れ笑いを浮かべただけだった。

まあ最初から期待は薄かったし、落胆はないが。

気を取り直し、他の質問もしてみることとする。
< 246 / 326 >

この作品をシェア

pagetop