黒百合の女帝
 「反嶺派たちが逃げる先に心当たりは?」

 「特に……。嶺春は縄張りも広いし、結構遠くまで逃げるんじゃないかなあ」

どうやら、彼も思い当たる節はないようだ。

彼の推察も一理あるが、裏をかく可能性もある。

彼らの逃走先も、地道に探していくしかないな。

それにしても、不可思議な事が起こったものだ。

未だ残る疑いから、ヤユに最後の質問をする。

 「嶺春から完全に逃げ切るなんてこと、本当に出来ると思う?」

その問いに、ヤユは少し考え込んだ後。

 「僕も信じがたいけど……嶺春が本当に捜査に難航してるって話だし」

頰に手を当て、ヤユは困り顔で答えた。

 「でも、刑牙や空死と雖も難しいでしょ。」

 「うーん。ここは形勢逆転の時が来たって考えるしかないんじゃないかなあ」

彼は大人しく奇跡を受け入れたようだ。

が、私は違う。

奇跡の裏に、必ず原因は隠れている。
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