黒百合の女帝
 「で、僕はどう協力するの?」

 「俺が欲した情報を下さい。そして、頼み事を頼まれて下さい」

 「僕がそれを断ることはできるの?」

僕の問いに、彼は鼻で笑った。

その態度に、胸中で短く罵倒してみた。

 「できると思ってるんですか?」

 「一つでも従わなかったら、親と学校に暴露か。」

 「そのつもりでいて下さい」

 「ひどいね。僕も君たちのことを売れるのに。」

 「でも、俺のことを告発するよりも断然、告発される方が面倒でしょう?」

ああ、やはりおまえらの弱点は存在そのものか。

僕は使いっ走りと少し交渉しただけ。

にも拘らず、彼はそれを不利な事柄と認めた。

彼らは、ほんの些細な証拠でさえ残したくない。

これは、脅し甲斐がありそうだ。

 「まあね。じゃ、早速頼みごとがあったらまた連絡して。」

電話番号を書いた紙を渡し、席から立ち上がる。

店から出た後、録音は停止しておいた。
< 275 / 355 >

この作品をシェア

pagetop