黒百合の女帝
 『ユリ。天楼の監視が終わったから、報告しようと思ってな』

 「お疲れ様。成果はあった?」

 『わからない。今日も夜の九時から調査を始めた。今終わって、近くの店に入ったところだ』

 「へえ、中の様子はどうだったの?」

 『一人、昨日は居た奴が居なかったな。それを除けば全員揃っていた』

 「ふうん。その居なかった奴の特徴は?」

 『全身真っ黒で、よく顔も確認できなかったな』

 「じゃあ、その人を警戒して欲しいんだけど。」

私の言葉に、カヤが顔を上げた。

一体なんの話だ、と思っているのだろう。

ラクアも同様に、戸惑いの色を見せる。
< 282 / 326 >

この作品をシェア

pagetop