黒百合の女帝
 『否定するようで悪いが、そう一々疑ってはキリがないと思うんだが……』

 「一々じゃないよ。根拠はあるらしいから。まあ、カヤの命令だから私もよくわかんないけど。」

詳細を伏せる為、カヤに責任を押し付ける。

結局、ラクアは渋々といった返事をした。

 『わかった……が。あの男は何を考えているんだ』

 「私もさっぱり。じゃあ、もう眠いから良いかな?」

 『ああ、長々とすまん。またな』

私も別れの挨拶をし、電話を切った。

カヤの方に向き直れば、険しい表情。

 「なんか、俺の知らないところで俺が利用されていた気がするんですが」

 「ごめんって。今度デートしてあげるから。」

冗談でそう言えば、カヤが途端に固まる。

そして動揺を隠すようにそっぽを向いた。

 「何言ってるんですか。嬉しくともなんともありません」

 「そう。じゃあそろそろ帰るね。」
< 283 / 326 >

この作品をシェア

pagetop