黒百合の女帝
 「ユリちゃん、二人で説得しよう?春架のみんなと戦う理由とかないじゃん」

ユリちゃんの頭を見つめ、熱く語る。

それでも、彼女にその熱は伝わらない。

彼女は再び口を閉ざした。開く様子はない。

でも、僕は諦めようとしなかった。

 「カヤさんもわかってくれるよ。まず、なんでそんな話になったの?」

 「もしカヤさんがダメなら、ヤナギさんに相談しよう?」

どれだけそう言っても、彼女は動かない。

しかし、次の言葉だけは違った。


 「僕、みんなを傷つけたくなんかないよ」

僕がそう言うと、ユリちゃんが顔を上げた。

同じ気持ちになってくれたんだ。

そう自惚れる僕を、ユリちゃんは冷たい眼で刺した。

 「ダメだよ。逃げちゃダメなんだよ。」

とても聞き取りづらいほどの小声。

だったはずなのに、僕の耳には酷くこだました。

僕が固まっている間にも、彼女は畳み掛ける。
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