黒百合の女帝
死角の管理
翔琉side

 「カケルっ、てめえ裏切ったくせになに街ぶらついてんだっ」

午後7時。繁華街の入り口あたりの所。

そこを散歩していたら、突然名前を呼ばれた。

振り返ってみると、そこには元友達の男が。

名前は……なんだっけ。あだ名も覚えてねえや。

見覚えだけはある男の顔を、まじまじと眺める。

その間にも、男は大股でこちらに近づいて来た。

 「おい、麓冬の連中はどこだ。どうせ一緒にいんだろ!?」

 「えっ、俺一人っすけど。というか名前!なんでしたっけ?」

男の剣幕に笑いながら、直接聞いてみる。

すると男は言葉を失ったように立ち尽くした。

かと思えば、突然俺の顔めがけて拳を飛ばす。

寸前で避け、瞬発的にその腕を力強く掴んだ。

 「は!?ちょ、元仲間の顔面にパンチって」

 「るっせえてめえツラ貸せやっ」

 「ああ!?上等だこらあ!」

前に聖矢さんが使っていた言葉を借りてみた。

けれど、なかなか迫力が出せなかった気がする。

もう一回言い直していいっすか?

と言おうとしたが、男は路地裏に入って行ってしまった。
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