黒百合の女帝
 「あっ、これ可愛い」

 「カヤが付けてる系統ってそういうのでしょ?」

ユリさんの言葉に、小刻みに頷いてみせる。

どことなく、それは彼女と買ったピアスに似ていた。

試しに薬指に付け、サイズを調整する。

他の指に付けている指輪とも相性が良い。

右手を眺めながら、感動を噛みしめる。

 「ありがとうございます。素敵なプレゼントです」

 「でしょ?恩は私の誕生日に返してね。」

彼女は自慢気に言うと、コーヒーを飲み干した。

そして余韻に浸る暇もなく、席を立つ。

 「じゃあ、会計は私に任せてね。」

 「あ、本当にお金持ってたんですね」

 「足りなかったらカヤの指輪で払うから。」

 「良いんですか?シルバーの価値が上がってからにしませんか?」
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