黒百合の女帝
 「やべえっ、ヤユさんに言われてたのに!」

慌てて立ち上がり、前後左右を確認する。

 『力加減は大事だよ。ほどよく締めることを覚えようね』

ヤユさんのいつかの言葉が頭に流れる。

その後、やっちまった時の対処法も教えてくれたはず。

なんて言ってたんだっけ、こういう時は……

 「君っ、大丈夫!?」

後ろの方から、そんな声が聞こえた。

バッと振り向くと、そこには黄緑髪の若い男が。

やべえやべえ、これ通報されんじゃね!?

どうすべきかもわからず、考えなしに後ずさる。

しかし、男が次に放ったのは衝撃的な言葉。

 「こいつ、もしかして気絶してるんじゃない?俺が救急車呼んどくよ!」

そう言い、倒れた男の前まで駆けよる若い男。

俺がびっくりしている間に、男は電話を掛ける。

それをただただ眺めていれば、男が顔を上げた。
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