黒百合の女帝
 「救急車呼んどいたから、今すぐ逃げよっか」

 「はっ?え、どこへっすか?というか誰……」

 「今はそんな事どうでも良いよ!早くっ」

これまで余裕があった人が、突然焦り出した。

それが大変なことに思えて、慌てて走り出す。

そうして辿り着いた先は、大きな一軒家だった。

これ、誘拐とかじゃねえよな!?

と一瞬疑うが、今のは失礼だと思い直す。

優しくされたら恩返し。小学校で習ったこと。

なのに、俺はまだこの恩を一切返せていない。

まずは恩を返してから考えよう!

そう思い、建物の中に入って行った。
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