黒百合の女帝
 「なんですか?不愉快です」

 「いや、なんでそんな麓冬の活動に積極的なの?お前」

彼の指摘に、思わず肝が冷えた気がした。

数ヶ月前の俺なら、こんな事はしていなかった。

何ヶ月前からだ。こんな事をする俺はいつから。

きっかけは。動機は。暇潰しの筈だったろ。

そこまで考え、ヤナギさんの目線に気が付く。

俺の心底を見透かそうとする、鋭い目線。

それを回避する為に、笑みを貼り付けた。

 「違いますよ。他人のゴシップって面白いでしょ」

 「ふうん。まあ調べてやっても良いけど」

 「……マジっすか。あざーす」

 「いっぺん社会に潰されろ」
< 488 / 605 >

この作品をシェア

pagetop