黒百合の女帝
 それと同時に乗り込み、彼らと向き合った。

私やハラ、ヤユの姿に間抜け面を見せるユウヒ。

緊張しているようで、余裕が見えるミヤビ。

顔のパーツ全てを使って驚きと困惑を表すヨウ。

そして、全てを悟った様に私を見つめるサクラ。

あの頃と殆ど変わらない室内と、その顔触れに。

当時の記憶が、続々と脳裏を過ぎって行った。

高鳴る鼓動を鎮める為、深く息を吐く。

表情が崩れないよう、顔面に意識を集中させた。

興奮を落ち着かせてから、再び彼らを見つめる。

あの日の事を、後悔させてやろうじゃないか。

 「ヤユっ、お前……どうしてそっちにいるんだよ!」

一番最初に声をあげたのは、やはりヨウだった。

困惑をぶつけられたヤユは、一瞬だけ顔を歪め。

またすぐに、精悍な顔付きに戻った。

 「ごめん、ヨウ。でも、僕はこれが正しいと思ったから」

ヨウだけでなく、幹部の面々を見ながら話すヤユ。

その言葉に、ヨウが何かを言うかと思った。

しかし予想に反し、彼はそのまま黙り込んだ。
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