ひまわりみたいなあなたにもう一度恋をする~再会したのは元不良の同級生~
(和んでいる場合じゃなかった)
窓の外の風景に感心しているばかりでもいられない。
――美織も今日からこの会社で働くのだから。
(何事も最初が肝心よね!)
おろしたてのスーツは気合の表れだ。入社初日ということもあり、美織は気合い充分で臨んだ。
いつもは邪魔にならない程度にヘアゴムでまとめるだけの黒髪のストレートヘアも、今日はハーフアップにしてヘアクリップでセットした。
メイクも少しだけ変えて、リップの色味を強くして、マスカラの色も変えた。
気負いすぎかとも思ったけれど、さきほどミーティングルームに入る前、チラリと見たオフィスの女性たちと比べたら霞んで見える。
こんなに大きな会社で働けるなんて滅多にあることではない。
転職エージェントのすすめもあり、ダメもとで総合商社の入社試験を受けたはずが、まさかそのまま採用されるなんて美織自身夢にも思ってもいなかった。
(本当に運がよかった)
千載一遇のチャンスをものにできた幸運を改めて噛み締めていたそのとき、ミーティングルームの扉がノックされる。
「はいっ!」
美織は弾かれたように椅子から立ち上がった。
ドアノブが押し下げられ扉が開かれると、美織がこれから働く海外事業部の同僚らしき男性が姿を現す。