ご褒美バニーガール
ひんやりとした空気が剥き出しの素肌に触れて、暗い部屋の中で一人、何をしているのだろうと自問自答してしまう。
自分でも本当に良くわからないことをしているという自覚はあるけれど、こんなことでもしなければ関係改善は見込めないほどの大喧嘩だったのだ。
こうして……こういう格好をして、部屋の中で待って居たら、喧嘩なんて忘れてきっと喜ぶだろうと、ネットの質問コーナーで意見を募集をしたら書いてあったし、それには賛同者も多かった。
だからこそ、彼が帰宅するだろう時間近くの時間にクラッカーを片手に息を殺して待って居たのだ。
私だってあれは、自分が悪いとわかっていた。だから、機嫌を直してもらいたくて、精一杯のことをしたつもり。
……それにしても、遅い。飲みに行って帰ると聞いていたけれど、終電をなくしてしまったのだろうか。
サプライズする前に気が付かれてはいけないと、荷物は全部閉まってあるし、もちろんスマートフォンだって鞄の中にある。彼の部屋の寝室には、時計はなかった。
「はあ……」
なんだか、自分の今の状況がとっても間抜け過ぎて、ため息しか出て来ない。
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