ご褒美バニーガール
 何しているんだろう。真っ暗な中で、こんな格好で。

 とりあえず居間にある壁掛け時計で時間を確認しようと思い、立ち上がりかけた時、ガチャリとノブの開く音がして……かなり泥酔した様子の男女の会話が聞こえて来た。

「あの……本当に、彼女は居ないのよね?」

「しつこいって……居ない居ない。ここ何ヶ月かフリーだから。俺は美咲ちゃんにずっと一途だって」

「ふーん。それにしては、ここ最近、連絡がなかったけど? 店に来てって連絡しても、全然来てくれなかったし」

「それは、最近は仕事が忙しかったからだよ。お金稼がないと店行けないしさ。美咲ちゃ~ん。居もしない女の影を心配するなんて、可愛いところがあるね」

「まあ、信用してあげる。部屋に来る時も、連絡している様子はなかったし」

「……そりゃ、そうだよ。俺はフリーって、何度も言っただろう?」

「あ……ねえ。待って。こんな場所でっ……っ……」

「待てない……美咲ちゃんっ」

 っ……!!!!

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