知らない明日が来たとしても
1.
 
 
「ごめん……本当にごめん……」
 
 
 俯きながらそう呟いた崇人(たかひと)の前で、才佳(さいか)は立ち尽くすことしかできなかった。
 何の前触れもなく、突然明らかになった真実。
 否定してくれることを期待していたのに、彼はあっけなく認めてしまった。
 怒りも悲しみも何故か沸かない。
 感情が麻痺している中で、ただ体と心が凍るように冷えていくことだけが分かる。
 
 崇人とは付き合って三年目になる。
 ほとんどの期間が遠距離恋愛だったけれど、付き合いは順調で、最近は結婚の話も出ていた。
 今日だって、両親への挨拶はいつにしようと夕飯を食べながら話していたばかりだったのに。
 当たり前だった日常が、今は悪い夢のように思える。
 
 
「……どうか許してほしい」
 
 
 崇人が才佳の肩を引き寄せた。
 強く抱き締められても、拒絶する気力さえ生まれない。
 されるがままに腕の中に納まった才佳の手から、何かがはらりと床に舞い落ちる。
 一枚のフォトカード。
 そこに貼られた写真の中で、崇人と彼の家族が幸せそうに微笑んでいた。
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