春の訪れに晴れ模様
思いっきり足が滑って、そして一気に教科書とノートと共に体がふわりと浮く。

「ひ、ひゃあっ……!」

デジャヴっ……!落ちる、体勢が悪すぎて受け身が取れない!

私は落ちながら痛みを覚悟していた。

「っ……!」

……痛くない……?

地面に着きそうになったところで、幸い私は誰かに抱き留められた。誰かが助けてくれた。

振り返って抱きとめてくれた相手を見ると……。

「……はぁ、一人でそんなの持てるわけないじゃんか。危ないよ」

冷や汗をかきながら私を心配そうに見つめる……晴先輩がいた。
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