春の訪れに晴れ模様

秘密の約束

中庭に連れられ、私と晴さんは外のウッドデッキに2人きり。あと2ヶ月もすれば真夏だから、もう既にこのウッドデッキは人気がない。

二人で向き合って晴さんが話し始めるのを待つ。

にしても昨日も一昨日も、晴さんは何か言いかけてたな……。ここまで来たんだから今日はしっかり聞かなきゃ。

「あのさ、聞きたいことがあるんだ」

「何ですか?」

「……名前何?」

あ、忘れてた。名前名乗ってないじゃん、私。

「七瀬美春です。晴さんは?」

「美春って言うんだ。俺は川合晴」

突然名前で呼ばれて少しドキリとした。多分……気のせいなはず。
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