あの日見つけた夕陽は、ただただ綺麗だった。

夕陽を見つけた帰り道。

その日はなんだか、冴えない日だった気がする。





家に一人っきりで、ただただ好きなことを好きなだけして。






「これでいいのか」 って、その思いが自分自身を攻撃して。






今日唯一の出来事の習い事さえ、全然うまくいかないで、おまけには先生から怒られちゃって。






泣くのを堪えながら居残り勉強して。






いつもより少し厳しい、昔っからの先生に散々呆れられて。







先生は私が前髪を変えたのも、全然気付いてくれなくて。







昔っからの先生だったから、前髪変えたこと気づいてくれなかったのが悲しくて。







泣くのを堪えながら、押さえつけながら、涙を流さないようにしながら、帰り道を歩いてた。








そのとき、私は何かの明かりに照らされた気がして、ふと、上を向いた。









「わぁ......綺麗......」










今まで見たことのない、綺麗な夕陽だった。







周りの人は誰一人と見てないけど、今の私にとって、こんなに暗い気持ちの中見た夕陽は、







きっと最高に綺麗だったと思う。







いろいろ綺麗な夕陽はあるって言うけど、








きっと人が本当に綺麗って思えるような景色は、







自分を慰めてくれた、前向きになることができた、そんな景色だと私は思った。







私はこの夕陽を見て、小声で囁くように言った。











「ありがとう」











この夕陽はきっと、神様からのおくりもの。







私はそう思うよ。心の底から。


















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