この恋、予定外すぎて困ってます



「昨日の話なんだけど」



先輩が静かに口を開いた。
昨日の話って…付き合わないって言われた、あの話?

胸が少しだけ痛くなる。
でも、ちゃんと聞かなきゃ。



「血は繋がってないけど、戸籍上家族でしょ。

大人になったら家出て2人で過ごしたりできるけど、まだ高校生のうちはそんなことできないし。

もし付き合ってることがばれたら父さんたちも何しでかすか分かんないじゃん。

折角結婚できたのに」



先輩の声は、静かで、でも真剣だった。

その言葉を聞いて、胸の奥がじんわり温かくなる。

先輩は、これからも私と一緒にいる未来を考えてくれてる。
今だけじゃなくて、もっと先のことまで。

それが、すごく嬉しかった。

確かに、お母さんたちが傷ついてる顔を見るのは嫌だ。
お母さんの笑顔が曇るのは、見たくない。


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